自由な幼児教育?「サドベリースクール」のメリット・デメリット

自由な幼児教育?「サドベリースクール」のメリット・デメリット

子どもたちへの教育への関心が高まり、オランダ式、インド式、フィンランド式など、様々な教育方法、教育機関が注目を集めている近年ですが、どのような幼児教育があるのかということをしっかり把握しておくことは、保育士にとって必要な事かもしれません。今回は「サドベリースクール」についてご紹介します。

「サドベリースクール」の特徴とメリット・デメリット

自由な教育

子どもたちへの教育への関心が高まり、オランダ式、インド式、フィンランド式など、様々な教育方法、教育機関が注目を集めている近年ですが、どのような幼児教育があるのかということをしっかり把握しておくことは、保育士にとって必要な事かもしれません。

様々な教育法がある中で、新しい教育方針として注目されている「サドベリースクール」について今回はご紹介します。

「サドベリースクール」とは?

サドベリースクールは、近年、学校の方針がもっとも新しい考えを持っていると注目されている学校ですが、アメリカのボストンにある「サドベリー・バレー・スクール」に共感して、その教育理念を受け継ぐ世界中の学校を総称して、「サドベリースクール」と呼ばれています。

1968年にこの学校は設立された私立校で、「子どもが自分の学びを決めている」「民主的に経営、人事を行なっている」ということを原則にして、4歳~19歳の子どもたちが通っています。

授業も、時間割も、テストもありません。子どもたち一人一人の個性を重んじていて、「人は本当にやりたい、必要だと感じた時に一番よく学ぶ」というモットーのもと、生徒たち自ら率先して、子ども主体で活動し、自由に学ぶことのできる環境なのです。

そのようにして、幼年期に信頼と責任を子どもたちに与えることによって、「自分が何をしたいか、どうしてしたいか、どうすれば成し遂げれるか」を学ぶことができるというのが、サドベリースクールの教育哲学です。

サドベリースクールにはどんな特徴があるの?

自由な子ども

大きく挙げると、3つの特徴があります。

授業がないこと、スクールミーティングが行われること、クラス編成がないことです。

1つ目の特徴

1つ目の特徴は、授業がないことです。サドベリースクールでは、子どもが学びたいと思ったことを自由に学ぶことができるように、授業もなければ、時間割もないですし、テストもありません。

「これでは学校で何を学ぶのか?」と思ってしまうかもしれませんが、サドベリースクールでは、「人は学びたいと感じたときに、学ぶ」という考えに基づいて、自由に学ぶ教育方針を取り入れています。つまり、子どもたちが「自分から動かないと何もできない」という環境であるわけです。

時間割や授業で、決められたものを学ぶという教育方法ではなく、子どもがそれぞれ興味を持ったものを、それぞれのペースで学ぶのです。

中には勉強に興味を持つ子どもたちも居ますので、そのような子どもたちのためにテキスト類も用意されていますが、興味を持つものが、料理であっても、マジックであっても、ピアノやギター、歌であっても、子どもたちが学びたいものであれば、じっくりと学ぶことができます。

保護者も、スタッフも、大人たちは、子どもがどんなものを選択しようが口を出すことはせずに、子どもたちそれぞれの世界や個性を大切にして、ゆっくりと見守る姿勢でこのスクールに通わせていることによって、自由に学べる環境が生まれています。

2つ目の特徴

次の特徴は、スクールミーティングが行われるということです。

サドベリースクールでは、生徒と先生が対等の立場として考えられています。ですから、学校内でのルールは、大人だけではなく、週に1回開かれるスクールミーティングという子どもも交えた話し合いの場で、民主的に決められるのです。

生徒も先生も全員が同じ重さの1票を持っていて、学校の運営や予算、学校のルールを決める、新入生の入学許可を出すことまでスクールミーティングで、みんな揃って決定するということです。

このような経験をすることによって、子どもたちは社会で通じるコミュニケーションのスキルを日常的に身に着けていくことができるというわけです。

近年、企業が人材を採用するときに、特に重視しているのが、コミュニケーション能力のようです。サドベリースクールでは、このコミュニケーション能力が、年齢を問わず、毎日必要とされるスキルとなるのです。

子ども同士の中では、ちょっとした意地悪や、ひどくなるとイジメにも繋がってしまうイザコザが起きてしまうことがあるものですが、スクールミーティングとは別の機会ですが、生徒と先生を含めた場で嫌な事があればしっかりと話し合うための時間が設けられることがあります。

このような場が設けられることによって、子どもたちが自分の嫌だったこと、相手が何を嫌と感じたのか、どう思ったのか、ということについて話し合うことで、良く知り理解することができて、子どもの感性をより豊かなものに育てて行く機会となるのです。

3つ目の特徴

もう1つの特徴には、クラス編成がないということです。

すなわち、サドベリースクールでは、年齢による学年がないということなんです。たいていのサドベリースクールは4歳~19歳くらいまでの生徒を受け入れていますが、クラス編成がないため、みんなが一緒に学びます。

年齢が異なっていても、みんなが互いを平等に、対等な人間として尊重し、話し合いをし、相手から学び、相手に教えて、共に成長していくのです。

社会に出ると、同じ年齢の人たちばかりが集まるという環境の方が少ないはずです。年齢が違ってもみんなで一緒に生活し学ぶ、サドベリースクールは、まさに小さな社会と言えます。子どもの時から、さまざまな年齢の相手と接する機会があるというのは、将来社会に出る上でも良い強みになるはずです。

このように、サドベリースクールの特徴を見ていきますと、一般で考えられている教育制度とは大きく異なる特徴が見られますが、子どもたちそれぞれの個性や、感性や、能力を育てて行く上で、新たな教育制度として注目されている理由が、少し理解できるのではないでしょうか。

サドベリースクールではどのような教育をするの?

子ども

サドベリースクールの教育はどのようなものでしょうか。一例として、サドベリースクールで子どもたちが過ごすスケジュールを見てみましょう。

10:00~11:00   登校
11:15         朝のミーティング
15:05~15:20     掃除
15:20         夕方のミーティング
16:00         完全下校
※朝のミーティングと、夕方のミーティングは自由参加

一例ですが、サドベリースクールの一日のスケジュールです。このように、生徒たちは、各自が自由に多くの時間を過ごすことになります。ランチも、各自、お弁当を持って来たり、キッチンで料理をしたり、外食に行ったりと、生徒たちが自分自身の予定を、お腹の空き具合いなどに合わせて、好きな時間に好きな仕方でとっているようです。

サドベリースクールに通うメリットやデメリットについて

自分のやりたいことを行なうことのできるサドベリースクールですが、この学校に通うことで、子どもたちにはどのような影響があるのか見てみましょう。

まずは、メリットです。 メリットには、子どもの好奇心が伸びること、自主性が育まれること、責任感が生まれることなどがあります。

デメリットですが、自由を大切にしているため、普通の学校教育を受けている中で培われる協調性や、年功序列を意識することができなくなる恐れがあるかもしれません。

また、「やりたくないこと」にぶつかった経験をしていないため、成長していくうちに直面する色々な事に対処するのに力がいるようになるかもしれません。

ですから、良い大学に入学し卒業して、大企業に就職して、というような、いわゆる世間一般で「成功」と言われているような生き方を求めるのならば、学校の成績を度外視しているサドベリースクールのやり方には少し不安を感じられるかもしれません。

しかし「社会の中で自分らしく生きてくれたらいい」と、そのような生き方をしてほしいと願うのであれば、サドベリースクールの方針は有用といえるでしょう。

何よりも、子どもが将来的にどのような生き方をしていきたいか、どのような生き方をしていって欲しいかということが、どんな学校教育を選択するかという上で重要になってくると言えます。

サドベリースクールを卒業したあとは?

サドベリースクールを卒業した生徒たちは何をしているのでしょうか?

あるサドベリースクールによりますと、卒業生の多くが自分の人生に十分満足していて、円満に社会生活を送っているようです。

卒業後、就職に就く生徒たちも多くいるようですが、芸術関係や教育系の仕事、マネジメント(経営職や管理職)に進んでいく傾向が強いそうです。

それはサドベリースクールで培った精神が大きく関係しているようです。「自分らしさを追求し続けて、独自性を発揮することのできる場を求めた」とか、「ユニークな教育を受け関わってきたため、自分自身も教育に携わろうと思った」「自主的にやりたいと思ったことを持ちかけたり、公的な話し合いに参加してたことのある経験を生かしたい」というような理由が考えられるようです。

もちろん、このような限られた職業だけではなく、事務職や営業職といったお仕事をしている卒業生もいます。

しかし、学校教育で受けた、自主性を培ったり、独自の発想を大切にするというような訓練のようなものが、子どもたちの人生の選択に大きく関わってくること、影響を与えるものであることがよく分かります。

日本にあるサドベリースクールについて

幼稚園とアウトドア

日本にも「人は本当にやりたい、必要だと感じた時に一番よく学ぶ」という教育理念を受け継いだサドベリースクールが全国にいくつかあります。それぞれのサドベリースクールに特色があるので、どの学校がて適しているのかというのをよくチェックすることをおススメします。

ここでは、全国にあるサドベリースクールの中で、幼稚園の年齢から入学することのできる学校を5つほどご紹介します。

東京サドベリースクール、湘南サドベリースクール、西宮サドベリースクール、八ヶ岳サドベリースクール、三河サドベリースクール・シードームの5校です。

1)東京サドベリースクール

2009年4月に東京都世田谷区に開校したサドベリースクールです。5歳から18歳までの生徒が通うことができます。

日本の幼稚園では年長~高校3年生の学年ということになります。入学の条件は、登校日数は年間で200日前後で、子ども自身が入学を希望していること、親が子どもを100%信頼していること、保護者が入学を承認し、子どもへの経済的なサポートができることが条件です。

入学までには、説明会に親子で参加し、学校見学や学校体験に参加して実際にサドベリースクールを体験し、その後面接も行われ、正式に入学するまでには1ヶ月くらいかかります。

2)湘南サドベリースクール

神奈川県茅ケ崎市にある湘南サドベリースクールは、4歳から18歳の子どもたちが通うことのできる学校です。開校時間は、月曜~金曜の毎日10時~17時です。

入学条件は、子ども自身がサドベリースクールについてしっかりと理解し、通いたいと思っているということが条件です。サドベリースクールについてしっかり理解できるように、入学前には10日以上の体験入学が必ず必要になります。最大限に体験入学から学びを得られるように、できるだけ連続した10日間で体験入学することが勧められています。

体験入学では、自分のことは自分で決める、みんなが関係していることは話し合って決める、自分を尊重し他の人も尊重すること、話し合いやミーティングを知ること、ルールを知ることなど、サドベリースクールで学ぶことのできる特徴を体験することができます。

3)西宮サドベリースクール

2000年に開校されたサドベリースクールです。日本のサドベリースクールの中では比較的長い歴史のある学校になります。兵庫県西宮市にある西宮サドベリースクールは、住宅街に位置しており、近隣に大きな公園や森があったりと、子どもたちが学びたいことを自由に思いっきり学ぶことができる環境が整っています。

4歳から18歳までの子どもが通学することができます。最寄りの駅からも徒歩で通学することが可能という好立地にあります。また設備の点でも、パソコンやアート、音楽、スポーツといった子どもたちが挑戦したいと考えていることを実現することができるように、しっかり整えられています。

他のサドベリースクールでも入学前に体験学習がありますが、西宮サドベリースクールも同様に入学条件として、体験学習を10日間受けることが必須になります。

4)八ヶ岳サドベリースクール

八ヶ岳サドベリースクールは、自然が豊かな八ヶ岳に位置しています。4歳から19歳までの子どもが通うことができます。この学校は2012年にオープンした比較的新しいサドベリースクールになります。新しい学校ですので、学校の設備も良く整っています。薪ストーブやイギリス式のキッチンオーブン、ウッドデッキなどがあります。

また学校つくりには、医師や会社経営者、建築家、スポーツ選手、住職、作家など色々な職種のプロフェッショナルが参加していて、子どもたちの学びたい心を応援してくれています。

四季を通じて、季節ごとのたくさんのイベントも子どもたちが自ら企画し、開催されています。また日々、農業体験や畑仕事、サッカーや野球やスキーなどのスポーツ、クッキング、勉強、英会話、ゲームやパソコンといった活動を子どもたちが自分たちで決定し取り組んでいます。

5)三河サドベリースクール・シードーム

三河サドベリースクール・シードームは、愛知県岡崎市にあり、4歳から通うことができます。入学条件は、本人が入学を希望していること、保護者が学校の理念に賛同している事、見学をしてスクールの説明を受けている事やルールを守る意志があること、所持品の管理や衣類の着脱、排せつが自分でできるというようなことが挙げられています。

シードームでは、毎日通う生徒と、都合に合わせて部分的に学校に参加する生徒の2つのタイプの生徒たちが一緒に学んでいます。

このようにご紹介したサドベリースクールは、全国にあるサドベリースクールのごく一部ですが、それぞれの学校に特徴がありますので、サドベリースクールへの入学を検討している子どもや保護者は、しっかりと調査をすることで、子どもに合った学校に通わせることができるでしょう。

まとめ

学校教育というと、時間割があり、授業があり、テストがあり、子どもたちは学んで行くというのが、ごく一般的だと思ってしまいがちですが、今回ご紹介したサドベリースクールは、多くの人が考える学校というものとは全く違ったシステムです。しかし、子どもたちは生き生きとしっかり学ぶことができている様子も知ることができます。

自分が学びたいと思うことを、集中して学ぶことができ、本気で何かを学びたいという子どもの心を応援してくれるサドベリースクールは、新しい教育の形として、いま注目されています。

これからますます、注目されていくであろう幼児教育ですが、どのようなものがあるのかを保育士がしっかりと把握しておくことによって、保護者からの質問にも答えることができるように備えておくことができるでしょう。

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