保育士が直面する発達障害の可能性があるお子さんとの接し方や見極め方

保育士が直面する発達障害の可能性があるお子さんとの接し方や見極め方

発達障害に対する理解はごく最近広く認知されてきたことと、発達障害にはグレーゾーンが存在するため日々多くの子どもたちと接する保育士さんにとっては、対処が難しい問題です。今回はその難しい保育士さんと発達障害のお子さんにフォーカスして、その接し方や見極め方などを見ていきましょう!

障害の可能性がある子どもへの接し方

障害のある子供と保育士

保育士としてだれでも直面するのが、自分が担任クラスで普段からよく接している子供たちの中で、特によくケンカをしかける子供、周りとうまく調和して遊ぶのが難しい子供を少なからず見かけることです。

そういう時に悩むのが、単にその問題が子供の性格から出ているものなのか、もしくは発達障害のような問題を抱えているのか、ということです。

発達障害という言葉は最近メディアでもよく取り上げられるようになって、一般に知られるようになりました。

発達障害といっても様々な分類がありADHD、自閉症、アスペルガー症候群などです。

発達障害の子どもであるという診断が無いと、すぐかんしゃくを起こし、落ちつきがない場合は「本人の努力不足」や「育て方が悪い」と思われて、本人の性格や保護者のせいにすぐされてしまい、理解されにくいものです。

しかし、発達障害である子どもの個性・能力・希望など理解した上での成長を理解し、支援していくことにより、子どもの障害の種類や症状に合った方法で関わっていくことが可能になるのです。

例えば、アスペルガー症候群の「興味・関心の偏り」、注意欠陥/多動性障害の「集中できない」「考えるよりも先に行動してしまう」、学習障害の「計算が苦手」といった症状は、発達障害ではない人にもありがちです。

このように発達障害で支援が必要なのか、それとも個性的なだけなのかが見極めづらい状態にあることを、発達障害のグレーゾーン子どもと言われています。

最近の文科省の調査によると、小・中学校の通常学級に在籍している発達障害者の割合は約6.5%いるということです。

具体的には文部科学省が教員に対してアンケートをおこなった「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」(平成24年12月5日)によると、知的発達の遅れはないものの学習面または行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合は6.5%という結果になりました。

40人学級の場合で考えると、クラスに約2、3人は発達障害を抱えている可能性がいる子供がいる計算になります。

医師の診断ではなく対象をグレーゾーンまで広げると、発達障害の疑いがある子どもはもっと多い可能性があるのです。

また当然ながら、小・中学校ですでに発達障害者がいるということは保育園や幼稚園にいる幼児にも発達障害の子どももいることになります。

今までは、単に性格の違いとして捉えられてきたことも、発達障害として医療の分野で専門的に取り組んで解決もしくは接することができるようになってきました。

しかし、保育士はもちろん発達支援の専門家や医師ではないため、発達障害などの問題を抱える子供たちとの接し方がわからず、もしくは発達障害かどうか調査する段階にさえ至らず、悩みを抱えたまま、相談せず、自信を無くしてしまう方がおられます。

保育士は複数の園児たちを同時に見ていく必要があり、多くの仕事と同時にこなしていくことに疲れを覚え、扱いが難しい子供たちを前にして現場を去っていく人も多いと聞きます。

保育園や幼稚園では発達障害を抱えているか否かに関わらずすべての子供を受け入れる

通常、保育園や幼稚園では園児を選んで入園させているわけではありません。

それで発達障害のある子は普通に入ってきますし、0歳から預かっている保育園の場合は保育士や保護者がその成長の過程で気づくことがあります。

当然ながら園児たちはもちろんそのまま過ごしていくので、やはり保育士にとっては発達障害を持っている可能性がある子供たちが全体のうち数パーセントはいるということを念頭に置いておくことは大切です。

そう思って仕事をするのと、そうでないのとでは仕事に対する取り組み方、また仕事からくるストレスの量が全く変わってきます。

例えば、あくまで医師に診てもらい診断されるということが前提ですが、発達障害がある子供たちは発達障害というひとくくりの名前であっても、それに性格の違いなども加わるので、行動の仕方、発言、反応などが違ってきます。

一人一人人間ですから、その点で保育士たちが対応するのは本当に難しいと言えますが、あくまで発達障害であるという前提で接することで、園長や同僚が一体となって情報影響しあい、励ましあうことが一番のポイントと言えるでしょう。

発達障害かどうか迷ったら同僚・先輩・園長・保護者にまず相談する

保育園

発達障害だと思った時に特に担任である保育士は、他の保育士やその子供の保護者にできるだけ迷惑がかからないようにと、まず一人で悩んでしまうかもしれません。

しかし、この問題は一人で解決できるものではありません。

また保護者も自分の子供についてまだ幼いこともあり、そのうち安定するだろうという軽い気持ちから保育園や幼稚園で他の子供たちとどのような問題を抱えているか、までは保育士から伝えられない限りは把握のしようもありません。

それで何か違うなと思ったら、すぐにまず同僚や先輩園長に相談しましょう。

過去に同じような子供と接してきて、対応方法を教えてもらえるかもしれません。

また、相談後は保護者にも事情を説明しましょう。

やはり子供に発達障害があるかどうかの調査を病院などに受けさせるかどうかは、最終的には親の責任であり決定が必要です。

小学生や中学生になって、ある程度人間関係がより複雑になっていくより前に、なるべく早いうちから対処をしていく方が確実に良いと言えます。

保育士は経験を重ねていくにつれて、確実に他の子供たちと何か異なる特徴がある子供たちを見分けるスピードが格段に速くなっていきます。

それは自分の子供しか普段見ていない保護者とは大きな違いです。

保護者は特に初めて子供を育てる場合、その子供の特徴が特にいうことを聞かず、落ち着きがないとしてもそれが一つの個性なので、そのうち改善させるだろうと思ってしまいがちであり、そう思いたいとまで思う親もいます。

例えばすぐ友達に手を挙げてしまったり、情緒が不安定だったりしても、それが成長の段階でそのうち収まる場合もあれば、発達障害の場合もあります。

また、当然すぐ友達に手を挙げ、落ち着きがいつもない子供たちは普段から保育士や親などから注意されたり、叱られたりすることが多くなってきます。

そうすると、子供たちは余計に落ち着かなくなり、不安になってきますが、発達障害だということがわからないままこれが繰り返されると、子供にとってはつらい状況のままストレスがかかった状態で過ごしていかなければならないのです。

このような状況を作ってしまうのは避けたいものです。

医師に診てもらうのは何も悪いことではないということを保護者にも知ってもらう

もしかすると、保護者であればだれでも自分の子供順調に成長していってくれるのを願うものなので、他の子供たちと違う行動を取り、性格が極端に異なっていることを知ると多少なりともショックを受けるかもしれません。

そして保育士としては善意で保護者に伝えているものの、保護者としたら不快に思いそれが原因でこじれたりしてしまうことがあります。

まして、保育士さんに言われてそれに気づくというのは、保護者としては少し恥ずかしく感じるものですし、どうしてそういうことを言われる必要があるのか、と少し感情的になってしまうこともあります。

また、実はその子供の保護者も発達障害だったりすることもあり得るのです。

そうなると子供の問題に対処するのみならず、その保護者にもなかなか保育士の言っていることが伝わらないということもあります。

大人である保護者が理解を示してくれないと、保育士としてはもっとストレスがかかってしまいます。

しかしながら、それでも保育士さんはこれらのことを踏まえながらも、丁寧に保護者に説明して、可能なら医師に診てもらった方が良いということをきちんと話すようにしましょう。

保育士はあくまでその提案をしますが、発達障害かどうかは医師が診断するわけですから、保育士がそれに関してのきっかけを作って、保護者に一歩踏み出してもらうための後押しをします。

発達障害に関してまだまだ体制が整っていない保育園や幼稚園が多い

保育園と幼稚園の体制

保育園や幼稚園で何十年と勤務している保育士さんでも、発達障害という言葉が確立されているのが割と最近になってからのため、また保育士の仕事の量の多さによりなかなか勉強する時間も取れないとあってか、なかなかどのように発達障害の子供を支援できるか、また問題を抱える子供たちがその障害を持っているかどうかまで把握しきれていないのが実情です。

発達障害がある子供たちの傾向としては、自分の行動が制御できずにパニックになったり、自分の思い通りにならないとすぐ手が出たり、叫んだりしてしまうことがあります。

また他の子供たちと協調性が持てずに、勝手なことをする結果、保育士を余計に煩わせてしまうということもあります。

そうなってくると、お遊戯会、お散歩、何かのイベントの際に周りとの協調性が難しくなる結果、保育士はそれがもとに事故に逢わないように気を付けたり、一人ぼっちにならないように配慮する必要が出てくるのです。

ではどのように配慮できるのでしょうか。

何か子どもたちの様子で変わったことや、特定の子供たちの苦手なこと得意なことなど、気がついたことを保育士や園長などと話し合いましょう。

そういう場があまりない保育園や幼稚園であれば、発達障害に関する勉強会のようなものを作ってほしいと提案してみることもできます。

この問題は保育園や幼稚園全体にかかわる問題ですから、関心が無い先生や園長はいないはずです。

そういったものを総合して話し合いをしながら子どもたちの発達に見合った対応の仕方を考えていきます。

保育園や幼稚園全体で話し合い、今後の方針などが決まっていけば、それに自信をもって保護者にも伝えることができます。

もちろん、保育士としては個別に発達障害を抱える児童に対して特別なケアをしていきたいと思いますが、個人としてできることには限界があります。

それがその子供にとって良いと思える支援がわかっても、保育園はやはり集団保育が基本になってきます。

それで、保育園や幼稚園全体としても、各保育士は何ができるか、そしてどこまでできるのかある程度決めていき、その中で保護者の援助と協力していかないと、保育士の負担が増大してしまい、本来あるべき保育もできなくなってしまうことは避けなければなりません。

保育士と言っても学校を卒業したての新人から、経験があるベテランまでいますし、それぞれ現場の状況も変わってきます。

それゆえ、保育園や幼稚園のチームワークで、それらの問題に取り組んでいく必要があるのです。

そうすることが、一番子供たちにとってのサポートと言えるのです。

数例でどのように発達障害を抱えている子供たちのサポートができるのかを考えてみましょう。

食べ物に対する好き嫌いが激しい子供

発達障害の子供たちは味覚が他の子供たちと異なっていることがあり、好き嫌いをなかなか克服できない場合があります。

もちろん単に野菜などを毛嫌いしている子供もいます。

しかしながら、発達障害の子供の場合は、味覚に対して過敏であり、例えばちょっとした刺激、濃い味そして強いにおいに弱かったりします。

食べ物の色や形に対しても一般の子供たちからしたら考えられないようなこだわりや拒否反応を示すことがあります。

先ほどの過敏な感覚とも関係しますが、熱すぎたり、冷たすぎたりする食べ物に対しても過剰な反応しますこともあります。

保育士はすぐに子供たちがどんな理由で食べられないかは分からないかもしれません。

それでも、食事をなかなか食べてくれない時は、どのように子供たちになるべく食べてもらうよう助けることができるでしょうか。

昼食に関しては各保育園や幼稚園によって様々です。

保護者がお弁当を持たせるところ、給食を園内で作っているところ、給食センターのような外注でお願いしているところなどがあります。

保護者がお弁当を持たせる場合は、保護者がお弁当の分量を決めるのでしょうがない場合がありますが、子供からするとまず見た目の量が多いだけで、食欲をなくしてしまうことがあります。

もし、子どもがすぐにこの量では食べられないと口に出して、プレッシャーを感じている場合は、まず量を減らして全部食べられるかを見守ることから始めることができます。

また、苦手なものがあるかもしれませんので無理に食べさせることはせず、残しても良いと話してあげるとストレスを抱えなくてすむでしょう。

頑張って苦手なものを少しでも食べることができたなら、ほめましょう。

誰でも褒められたらうれしいものですし、また挑戦しようと思います。

子供たちも褒められると、食べることが楽しいものであることを実感していくようになります。

いつも自分の持ち物である靴やかばんを特定の場所に置けない子供

何らかの発達障害ある子供たちは、整理整頓がなかなかできないことがあります。

何回教えてもどこに何を置けばいいのか覚えられない、周りの子供たちがやっていることから学べない、自分が関心や興味のあるものがあれば今やらなければならないことを投げ出してしまう、ということがあります。

ではどのように少しずつ整理整頓を教えることができるでしょうか。

まず、自分の持ち物と置く場所が同じであることがわかる目印となるシールを付けてみましょう。

動物、乗り物、植物など子供たちが好きなシールを選ばせてあげると、自分のであることを忘れづらくなります。

また、靴を脱ぐ、履く、カバンを置く、探すなどの行為がなかなかできない場合は、一緒にやってあげることができます。

そして、よくできた、とほめることも決して忘れないようにしましょう。

保育士や園長先生の話を静かに聞くことができない子供たち

静かにできない子ども

発達障害の子供たちは、感覚が特に敏感である場合が多いのですが、静かに黙ってられないのは、特に自分の視界に入っている動作や聞こえてしまうすべての音に敏感に反応し、それに集中してしまうということがあります。

例えば、他のクラスや離れたところでやっていても少しのイベントの声が気になってしまう。

自分の目に入るものに気を取られて落ち着かないこともあります。

それで何か大事な話を子供たちに個別にするときは、なるべく注意がそれるようなおもちゃなどは見えないようにしましょう。

それが難しい場合は子供を静かに集中させて聞けるような環境の部屋に連れて行って話すことができます。

基本は理解とほめること

発達障害の子供を助ける時に大事なことは、その子供と親に理解を示すことです。

そして、とにかくほめましょう。

理解とほめることがまず発達障害の子供たちの良さを引き出してあげられる第一歩になるのです。

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