児童養護施設での保育士の仕事内容って?求められる考え方

児童養護施設での保育士の仕事内容って?求められる考え方

児童養護施設というのはどんな場所で、そこで保育士として働くという事は、どんなことを意味しているのでしょうか?今回は児童養護施設の保育士さんの仕事内容や、求められる考え方などを調査してみました!

保育士が児童養護施設で働くということ

保育園

保育士として働くというと、まっさきに思い浮かべるのは保育園ですよね。しかし、保育士の資格を活かすことのできる職場として、他にもいろいろな場所があります。

その中の一つが児童養護施設です。児童養護施設には、様々な理由で親と一緒に暮らせない子どもたちが生活しています。

そこでの仕事というのは、保育園での仕事とは少し違います。しかし、大きなやりがいも感じることができる場所でもあります。もしかしたらあなたも、児童養護施設での仕事に興味を持っているお一人かもしれません。

では、児童養護施設というのはどんな場所で、そこで保育士として働くという事は、どんなことを意味しているのでしょうか?その仕事内容や、求められる覚悟などについて調べてみたいと思います。

児童養護施設の役割

子どもと親

まず、児童養護施設とはどんなところなのか、どのような役割があるのか、という事を確認しておきたいと思います。

厚生労働省のホームページによりますと、児童養護施設というのは、保護者のいない児童、あるいは保護者に監護されることが適当ではないと判断された児童に対して、安定した生活環境を整える、という目的があることがわかります。

子どもたちはそこで生活指導、学習指導を受けることができます。そして、児童養護施設は、家庭環境の調整を行い、子どもたちが心身ともに健やかに成長し、そして自立できるように支援する、という役割も持っています。

これは、児童福祉法で定められているもので、その第41条には、”児童養護施設は、保護者のいない児童(乳児を除く。ただし、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、乳児を含む。以下この条において同じ。)虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設とする。”となっています。

では、実際どのような子どもたちがそこで暮らしているのかというと、虐待を受けた子どもが約53%、何からの障害を持っている子どもが約23%となっています。さらには、父母による育児放棄や、死亡、行方不明、あるいは父母が身体的な病気であったり、精神疾患を持っている場合などもあります。

それで、子どもたちは精神的に不安定な状態であることが多く、一人ひとりに特別なケアが必要が場合がほとんどです。

年齢は、2歳~18歳未満で、1歳未満の乳児の場合は乳児院に入所することとなりますが、もしその子どもにとって児童養護施設の方がより良い環境だという事が認められる場合には、そこへの入所も可能になっています。

児童養護施設での子どもたちの生活

子どもと親

児童養護施設というのは、五百井ろな理由で保護者からの適切な養育を受けられない子どもたちを保護し、養育し、家庭を支援するための場所であり、子どもたちにとって、そこが家庭に変わる”家”になります。

現在児童養護施設は全国に約600ほどあります。約3万人ほどの子どもたちがそこで生活しているといわれていて、最近ではそれぞれの施設の近くに、民家やアパートなどを利用したグループホームなども増えてきています。

児童養護施設で暮らす子どもたちにとって、そこは特別な場所ではなくて普通の生活を送る”家”となります。朝起きたら、朝ご飯を食べ、平日はそれぞれ学校に通ったり、幼稚園に通ったりします。

そして、学校が終わったらクラブ活動をしたり、友だちを遊んだり、施設でくつろいだりして、夕食を食べて布団で寝ます。つまり、普通の日常生活が営まれています。

休日になると、入所しているお友だちと遊んだり、職員と遊んだり、みんなで季節の行事をしたり遊びに出かける施設もあります。子どもたちは、そこで暮らす子供同士、兄弟のように共同生活を送っています。

最近では、より家庭に近い養育環境を整えるために少人数のグループでの生活ができるような、施設の小規模化の取り組みも見られています。

児童養護施設で働くということ

子ども

児童養護施設には、様々な専門職の人たちが働いています。その中の一人が保育士であるわけです。保育士は主に、保護者に変わって、子どもの養育の中心的役割を担っています。

では、その”養育”とは何か?というと、それは子どもたちが「生まれてきてよかった」と思えるように、日々の営みを積み重ねることです。子どもたちは、安心して自分をゆだねることができる養育者の存在を必要としてます。

それで、保育士を始め、児童指導員、栄養士、調理員、心理療法担当職員、個別対応職員など、そこで働く職員たちは、子どもたちにとって家族のような存在になります。それで、保育士にとって児童養護施設というのは職場でもあり、子どもたちにとっての養育者でもあるという事なのです。

子どもたちにとって、一番身近な大人となるわけですし、一番安心できる存在となる必要があります。様々に心に傷を負った子どもたちに対して、ときには母親、父親としての役割を担い、時には養育のプロとして子どもたちを冷静に見ることも必要で、保育士との関係が子どもたちの精神的な安定につながるのです。

それで、子どもたちとの関わりというのは、保育園などで働くよりもずっと深く、ずっと密になりますし、子どもたちとじっくりと関わり、向き合う覚悟を持つ必要があります。

児童養護施設での保育士の仕事内容

かわいい子ども

児童養護施設で働く職員は、様々な専門的な知識を持つ人たちですが、では保育士は主にどんな役割を担うこととなるのでしょうか?

児童養護施設で働く保育士の仕事は、主に、子どもたちが施設を退所するまでの間、自立できるような能力を身に着けさせることにあります。

主に、小学校に上がる前の子どもたちの面倒を見て、身の回りのお世話をすることになりますが、それだけでなく様々な年齢の子どもたちと関わることとなります。

例えば、小学校に入学する前の幼児に対しては、食事や排せつのお世話、さらにはお風呂に入って、歯を磨いて、寝るという事をサポートします。そしてもちろん、一緒に遊びます。

施設の近くにある保育園などに通うことになることもありますが、その子の年齢に合わせて身の回りのことが自分でできるように、年齢やその子の成長の度合いに合わせて教えていきます。

さらに、小学校の児童であれば、学校生活に必要なものを準備することや、宿題を見てあげることなど、保護者と同じようなサポートを行います。そして、年齢に合わせてお手伝いをしてもらうことによって、生活する力を身に着けさせるという事に取り組んでいる施設もあるようです。

中学生以上になると、進路のことや人間関係のことなどでも悩みを抱えることが多くなります。それで、そのような子どもたちの相談相手になったり、よき理解者になることも必要でしょう。

それは、子どもたちが自立して生活できるようにするための支援として行われています。そして、子どもたちの心の傷のケアにも取り組み続けます。

それで、施設で働く保育士は、子どもたちの身の回りのお世話だけでなく、子どもたちが生活で必要な知識や、スキルを学ぶことができるよう、お掃除やお洗濯などを学ばせたりもします。そして、集団生活のルールなども伝えていきます。

さらに、一緒にお買い物に行ったり、行事をしたり、予防接種を受けたり検診に連れていくことなどもありますし、学習指導をしたりもするので、かなり幅広いサポートをすることとなります。

それに加えて、心のケアもしていくわけなので、子どもたちにとって大きな存在となることは間違いありません。

実際、子どもたちのお世話がメインというよりも、心のケアが仕事内容としてメインとなる場合が多いといえるでしょう。

園で働くときとの違い

子ども

児童養護施設で働く保育士のことを、施設保育士と呼ぶことがありますが、仕事内容はやはり保育園などで働く場合と異なってきます。

例えば、保育園というのは朝に保護者が子どもを連れてきて、そして時間になるとお迎えに来ます。それで、子どもたちを預かるのは家庭で保育できな一時的な時間、という事になります。

しかし、施設の場合は子どもたちは施設の中で24時間暮らし、そこが家となるわけです。それで、施設にいる間ずっと子どもたちと一緒に暮らし、子どもたちと共に時間を過ごすことになります。

それで、保育園は保育時間が決まっていますけど、児童養護施設は365日、24時間体制で子どもたちを見守る必要があります。それで、シフトで日勤もあれば、夜勤もあります。

例えば、ある施設では早番の人は朝の6:00~15:00まで、日勤の人は13:00~22:00まで、そして夜勤の人は22:00~6:00まで、というように3パターンでの勤務時間がシフトで組まれる、というケースもあります。

保育園などでは夜勤はありませんので、そこは大きな違いでしょう。

有給休暇が取れたり、年末年始のお休みを交代で取ることもできます。しかし、子どもたちに何か大きなトラブルがあったり、体調不良が起きたりするときなどには、時間外であってもすぐにかけつける必要があったり、残業になることもあります。

それで、勤務時間というものがありますが、子どもたちの様子などに合わせて、それが変わることもある、ということで柔軟な対応が求められるでしょう。

そして、やはり違うのは施設に入所している子どもたちは、心の傷を負っていたり、せいしんてきに不安定な状態だったりします。親からの虐待が増えていたり、適切な養育を受けることができない、という特別な事情をかかえ、辛い境遇を抱えているのです。

そのような子どもたちへの心のケアが必要となります。多く子どもたちが辛い経験をしているゆえに、大きなトラウマを抱え、人に対して心を開くことができないという事もありますし、自分の気持ちを他の人に伝えることができない、という子もいます。

そのような背景の子どもたちとの信頼関係を築き、子どもたちが自分の存在を肯定できるようにサポートし、安心して過ごし、寂しさを感じないようにする必要があります。言うまでもなく、それは簡単にできることではありません。

そして、子どもたちにとって、職員が家族のような存在となりますので、保護者に近い役割を求められるのです。

さらに、園では小学校に就学する前の子どもたちと接することとなります。しかし、児童養護施設には、乳児から幼児、小学生、中学生、高校生と幅広い年齢の子どもたちが生活しています。

それで、幅広い子どもたちと接することとなる、という点でも違いがあるでしょう。

児童養護施設で働くために求められていること

遊ぶ子ども

このように、施設保育士として働くという事は、普通の園で働くこととは違います。園で働く場合よりも、仕事内容としては広く、さらに子どもたちとの関わりは深くなります。

そのうえ、心をあまり開くことができないような、心の傷を負っている子どもたちと関わっていくことになりますから、子どもたちと真摯に向き合う覚悟が求められています。しかし、最初は心を開いてくれなかった子どもたちが、保育士のことを信頼し、自分にとっての親のような存在として慕ってくれる時には、本当に大きな喜びとやりがいを感じることができます。

それで、施設保育士として求められているのは、やはり子どもたちを本当に支えたいという強い気持ちと覚悟だと思います。

そして、当然のことながら保育士としての資格が必要であり、保育士としての専門知識と、スキルが求められています。

しかし、それ以上に辛抱強さ、寛容さ、柔軟性、冷静に物事を判断する力、包容力といったものも必要になると思われます。様々な境遇の中で辛い経験をしてきた子どもたちは、なかなか気持ちを表現できなかったり、情緒が不安定になることもあるでしょう。

そのような子どもたちとちゃんと向き合い、受け止める強さと愛情、しかし冷静に物事を判断できるプロの目という、バランスの取れた視点でも物事に取り組むことが必要だと思われます。

しかし、そのように子どもたちと親密な関係を築き、子どもたちが成長し、自立できるようにサポートする、というのは、より深いやりがいを感じさせ、自分にとっての生きがいとなることもあります。

実際、児童養護施設を退所した子どもたちのうち、その後も施設と交流を持っているという人たちの割合は全体の81%だそうです。それに対して交流がないと答えたのは、19%でした。

つまり、子どもたちにとってそこは自分の家であり、そこで働く保育士を始めとする職員は、子どもたちの人生に大きな影響を与える存在となるのです。

それで、普通の保育園以上に、もっともっと深く子どもたちと関わることを望む方は、児童養護施設での勤務を考えてみるとよいでしょう。

そして、やはり体力が必要となります。24時間体制で、365日子どもたちを見守る必要がありますので、夜勤があったり、土日出勤もあります。

それで、体力的にキツイというのは事実です。夜勤は夜勤で仕事はいっぱいあって、洗濯や掃除や、次の日の子どもたちの食事の確保、学校への準備、さらには夜中に子どもたちがやってきて話したい、という時には、時間を取る必要もあります。

体力的にキツイということで、仕事を辞めざるを得ない人もいますが、やりがいと共に、夜勤手当が付いたり、福利厚生がしっかりとしているという面は、仕事を続けるモチベーションにもなるでしょう。

施設保育士の給料

遊ぶ子ども

昨今、保育士の低賃金が問題となっていて、収入をアップさせる動きも出てきていますが、実際施設保育士として働くとなると、どのくらいの年収になるのでしょうか?

調べてみると、やはりその施設によって給料は様々のようです。施設によって、受け入れている子どもたちの年齢や条件というものも異なってくるし、期間というものも違うのでその施設に確認してみる必要があります。

しかし、一般的には公立の施設で働くとなると、公務員としての待遇となりますので、公務員給与規定に基づいた額の給料になりますし、賞与や福利厚生もしっかりとしているということができます。

公立ではない場合では、その施設によってさまざまですが、平均すると年収が約300万円ほど、というところが妥当のようです。

かなり厳しい、ハードな職場環境であることを考えると、この年収は低いと思えてなりませんが、現実はそれほど高い給料を期待することはできないようです。

しかし、児童保育士という仕事をしてみたい、子どもたちを本当にサポートしていきたい、という人にとって、まさに必要とされている仕事です。

それで、もし興味があるのなら、まずはボランティアとしてそこでの仕事の様子を実際に経験することもいいかもしれません。求人サイトとか、ボランティアの情報を載せているサイトなどでも、児童養護施設のボランティア募集が乗っていることがあります。

そのようなチャンスを捉えて、実際に働いてみることによって、自分が本当にそこで働くことを希望するかどうかを確認することもできるかもしれませんね。

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